静かに、虚しく、③

 

 

 

配られた、2枚のブランケットを重ねる。

疲れ果てた兄妹は私の足の上で寝ていた。

 

 

 

 

『あの、、お名前は、?』

 

先に話をしたのは彼からだった。

 

「〇〇 〇〇〇と言います、」

 

「貴方は?」

 

『僕は、森本慎太郎って言います、』

 

「慎太郎さん、、」

 

『あのこんな時に話すなんて不謹慎かもしれないんですけど、、』

 

「はい」

 

『そのバック、〇〇のフェスのバックですよね?』

 

「えっ、知ってるんですか?」

 

『はい!僕もファンなんです!』

 

「なかなか知ってる方いらっしゃらないから、びっくりです!笑」

 

『いや、僕もです!笑』

 

 

 

その話題から趣味の話や歌手の話、、

なんとも彼とは話があった。

初めてとは思えないほど楽しい会話だった。

ドン底な気持ちから少し元気が出てきた。

 

 

 

「あっ、慎太郎さんって、なんのお仕事されてるんですか?」

 

『僕?笑 僕は、恥ずかしながらジャニーズです笑』

 

「ジャニーズの!アイドルさんだったんですね、」

 

『びっくりですよね?笑』

 

「はい、少し 笑笑」

 

 

『あの、〇〇さん、』

 

「はい」

 

『お家族とか、あのー、彼氏さんとか、に連絡、しなくても大丈夫なんですか?』

 

「家族にはしましたよ、でも繋がらなくて、、彼氏さんは、、いません、苦笑」

 

『あっいらっしゃらなかったんですね、苦笑』

 

「慎太郎さんは、?」

 

『僕も、いらっしゃらないです、、笑』

 

「えー!意外!」

 

『意外ですか!?』

 

 

 

慎太郎さんに彼女がいないと聞き

何故かホッとした自分がいた。