お別れの日

 

 

 

「はぁ … 」

 

 

 

北斗とデートの日。嬉しい、けど、辛い。

 

今日が終わったら、、。

 

 

 

「どうしよ … 」

 

悩む服。悩むメイク。

 

「ほっくん、ナチュラル好きだしな …」

 

今日は薄ピンクなメイクにした。

 

今日はほっくんのお気に入りの服にした。

 

 

 

 

 

「おはよう」

 

いつもと同じ笑顔。

 

目線の高さ、慣れた、いつもの高さ。

 

「おはよう」

 

今日は少し笑顔で言った。

 

「車、」

 

「ん?」

 

「エンジンつけっぱなしで来ちゃった 笑」

 

「取られちゃうじゃん 笑」

 

 

いつもの後ろ姿。襟足、少し切ってるじゃん。

 

 

「よし、出発するか」

 

「うん」

 

 

いつものデートと一緒で一緒じゃない。

今日は天気はいいが、風が少し冷たい。

息が白くなるような12月。

私たちの気持ちと同じくらい ‘ 寂しい ’

 

 

 

 

 

三日前の木曜日、北斗から送られてきたメール。

いつもと同じ、「疲れた〜」、だと思ったメール。

だけど、違った。

 

 

「話がある。」

 

 

文の形には何一つ変わりはない。

いい話、かもしれない。

 

けど、私には分かっていた。

メールの文だけで空気が伝わった。

 

 

「別れる?」

 

何も気にしてないように送った。

 

「うん。」

 

覚悟はしていたけど、その「うん」を見た瞬間

両目からは大粒の涙が溢れていた。

 

「どうして?」

 

「言えない。」

 

「そっか、」

 

 

言えない理由。きっと私が悲しむから、言わない。

彼はいつだって優しい人だったから。

 

 

「泣いてる?」

 

「ううん、」

 

 

素直に甘えなれない。弱くない、そう思ってたから。打たれ強い、私はそうだ、と。

 

 

「日曜、デート行こう。」

 

「うん、」

 

「じゃ、11時に迎えに行く。」

 

 

 

 

そして今日を迎えた。

 

三日前を彼の車の中で彼の横で思い巡らす。

 

涙は十分でた。今日は泣かない。そう決めてきた。

 

 

「遊園地、何年ぶりだっけ?」

 

私の口から出た、言葉。

 

「意外と経ってるんじゃない?4年とか、?笑」

 

「そっか〜笑」

 

 

 

今日は会話が繋がらず、短い。

一文、一文、言葉をだすのが精一杯で。