静かに、虚しく、②
妹をおぶり兄妹を連れていく男性を見送る。
兄の方は私を心配し、何度も振り返るが
「大丈夫、大丈夫!」
と笑顔で答えた。
が、しかし大丈夫なわけもなく
追いかけることもできない。
またいつ来るか分からない恐怖に体が震えていた。
周りにはほとんど人がおらず
自分だけ取り残されていた。
痛む左腕を押さえる。
『はぁ、はぁ、、大丈夫ですか?』
声が聞こえた方を見ると
さっきの男性だった。
「あの子達は?」
『今、色々崩れて外に出れない状態なんです。あの子達は近くにいらっしゃった方に少しの間見て貰えるよう頼んできました』
「はぁ、、、良かった、、」
急にしゃがみ、背中を向ける男性。
「え?」
『足、怪我してるでしょ』
「あっ、、、」
『乗ってください』
言葉に甘え、背中に乗る。
ホームに着くとたくさんの人が
駅員に手当されたり、地面に座っていた。
「なんで、、、」
『地上はもっと酷いようですよ、、』
心はどん底だった。
いつもと普通の変わらない日だったはずなのに。
「お姉ちゃん!!」
走ってきたのはお兄ちゃんの方だった。
「ごめんね」
「ううん、大丈夫?」
「うん!」
『今日はここで泊まりになりそうですね』
「私はこの子達といます、貴方は?」
『俺もいます、怪我だってされてるし男手があると楽でしょうから』
「ありがとうございます、、」
そうして始まった4日間。